SFAを導入しても定着しないのはなぜ?SFA導入時によくある失敗と対策をお伝えします

「SFAを導入しても定着しない」といった事例は少なくありません。

「せっかくSFAを導入したのに活用されない・・・」といった事態に陥らないよう、SFA導入に失敗してしまう理由と対策についてご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

SFAが定着している状態とは

そもそもSFAが定着している状態とはどのような状態でしょうか?

「SFAに日々情報が蓄積され、それらのデータを用いて活動や分析が行われている」
「SFAを用いて情報共有、社内コミュニケーションが取れている」

このような状態をSFAが定着している状態と呼ぶのではないのでしょうか。

「SFAに活動や案件の情報を入力しよう」と意識することなく、メールやグループウェアのように毎日使うことが当たり前の状態となっているのが理想ではあります。

しかし現実はなかなか入力が浸透せず、せっかく導入したのにこれまで通りExcelなどでの管理が続いてしまい、あまり活用されない状態になってしまうことも少なくありません。
ではなぜSFAは定着しないのでしょうか。

SFAが定着しない理由

SFAが定着しない理由は主に6つあると言われています。

・導入目的やメリットが共有されていない


SFAを導入するための明確な目的があっても、共有されていなければ定着できません。
経営主導でSFAを導入しても、現場が目的やメリットを理解していなければSFAに入力することが手間に感じるかもしれません。
ただ情報を入力するだけであれば、Excelでも変わらないからです。
なぜ、Excelではダメなのか、現状の管理方法でどのような課題があり、SFA導入によってどう解決されるのかが、全員に共有されている必要があるのは言うまでもありません。

・運用ルールが明確化されていない


「入力基準が定まっておらず、担当者ごとに情報量が違う」「必要なデータが入力されていない」といったように、入力ルールが明確でないと、せっかくSFAにデータを入力してもその後に活用できないかもしれません。
よくある例として、顧客情報を登録する際、人によって"株式会社"を付ける人と付けない人がバラバラといった話を聞きます。
データの精度や入力基準が定まっていないと、単なる管理上の問題だけではなく、利用者のやる気にもつながります。
人には”習慣”というものがありますので、一度曖昧な状態でスタートしてしまったものを正常化に戻すのは結構なパワーを要します。
従って、SFAを導入するだけで終わってしまうのではなく、運用開始時からある程度のルール決めをすることが非常に重要となります。

・管理項目が多い


SFAは商談情報や顧客情報、日報など日々情報を入力、蓄積する必要があります。
項目が多い場合、入力に時間がかかり営業にとって負担になってしまう可能性があります。
SFAに入力することが仕事になりかねません。
本来、営業業務の効率化や営業成績の向上を目的にSFAを導入したのにも関わらず、SFAを”使うこと”が仕事になってしまっては本末転倒です。

・操作方法がわからない


SFAを導入したがマニュアルが不十分で操作方法がわからない。
またはSFA導入時に現場担当者まで操作方法が周知されていないため、いざ入力しようとしても時間がかかってしまうことがあります。
マニュアルというのは、操作マニュアルだけではなく運用マニュアルも含まれます。
一般的な操作マニュアルは、自社の運用に沿って書かれていないため、実際利用している画面と違い分からなくなるというパターンです。

・疑問点をすぐに解決できない


疑問点があってもマニュアルが用意されていなかったり、メールでしか問合せができず返答にも数日を要するなど、即時回答が欲しいものにもタイムラグが発生してしまう結果、業務が滞ってしまいSFAの利用を手間に感じる可能性があります。

・データの活用を行っていない


入力したデータから受注までにかかった時間を確認、引き継ぎのため過去の活動を振り返るなど、SFAに蓄積したデータには様々な活用方法があります。
しかし、せっかく日々データを入力し蓄積したとしても、これまでと同じような会議資料を作成したり、上長に報告用の資料を作成したりと、SFAを導入したことで得られるメリットを生かせていない場合、モチベーションも下がり、「SFAは不要だ」と判断されてしまうかもしれません。

SFAを定着させるポイント

それでは、SFAを定着させるためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
SFAを定着させるポイントについてご紹介していきます。

・利用状況を評価基準に組み込む


これは一番効果があります。
例えば「営業会議の元ネタはSFAの情報を正とする」とした場合、これまで別で管理していた情報は正しい情報としてみなされなくなるため、自然とSFAに入力するようになります。
一見、強制力をもって無理やり使わせている印象を受けますが、これが浸透すると全ての営業情報がSFAに正確な情報として集まり、結果的に営業担当者にとって有益なものとなるのは間違いありません。
SFAの利用状況と評価をリンクさせることは、一つの方法として有効であると考えます。

・社内で導入目的を共有する


導入前に社内でSFAの目的を共有することが大切です。
セミナーや事前説明会に参加してもらったり、トライアル環境がある場合はSFAを導入する前から実際に現場担当者に触ってもらい、SFA導入後も入力してもらえるように慣れてもらうことが大切です。
また、目的を謳う際には必ずSFAを導入することで得られる利用者にとっての”メリット”を訴求してください。
経営者・管理者側のメリットは利用者側のデメリットにもなります。
SFAの主役はあくまでも入力する担当者であることを意識しましょう。

・SFAへの入力工数をできるだけ少なくする


SFAの導入目的を理解したとしても、現場負担が大きければ、次第に利用されなくなるかもしれません。
そうならないためにも、最初は必要な項目のみに絞り、担当者が扱いに慣れたタイミングで項目を増やすと良いでしょう。
所謂"スモールスタート"です。
「SFAに入力した情報をどう活用できるか分からないが、念のため項目として用意しておこう」というパターンは、ほぼ活用されません。

・入力したデータを分析・活用する


データの蓄積が出来てきたら、次は活用です。
これまで別途作成した資料を元に行われていた会議をSFAの画面を使って行ったり、週報という形で報告していたものを日々リアルタイムで共有される日報の確認に置き換えるなど、SFAを活用することで単純な情報の参照だけでも十分効率化を図ることができます。
さらに発展形として、データを基にした集計・分析といった活用が次のステップとなります。

・直感的に操作できるSFAを選ぶ


機能説明会や研修を行い、SFAの操作方法を学ぶことも大切ですが、直感的に操作できるシステムを選ぶことも大切です。
トライアル環境を提供しているサービスであれば、どのような機能があるのか、どのように操作するのか、事前に調べることができますので、導入を決定する前にぜひ積極的に活用しましょう。

・SFA運用ルールを明確にする

SFAの運用ルールを明確にすることで、蓄積される情報レベルを合わせることができ、分析の精度も上がります。
「伴走支援」や「導入支援」といったサービスを展開している場合は、ルール策定や運用マニュアル作成を支援してくれますので、自社だけで完結できない場合は利用することを推奨します。
↓過去のショートコラムにてSFAの導入支援についてご紹介しています
導入支援って何をする?

SFA選定のポイント

それでは定着するSFAとはどのようなものなのでしょうか。
選定のポイントは大きく3つあります。

・サポート体制が充実しているか


自社でシステムの担当者がいない場合、なにかあっても社内に対応できる人がいないと業務に支障が出てしまいます。
またメールやマニュアルだけでの対応では時間がかかります。
外資系のツールの場合、言葉や時差の場合もあるかもしれません。
専任担当が付く場合やコールセンターでの対応など、サポート形態はサービスによって様々ですが、電話やWeb会議などで相談にのってもらえる体制があればなおいいでしょう。

・外部ツールとの連携ができるか


SFAを活用するようになることでやりたいことも増えてくると思います。
要望によっては、基幹システムや他システムと連携する必要がでてくるかもしれません。
連携製品が豊富なものや、将来的に機能拡張しやすいSFAを選定するのもポイントになります。

・カスタマイズは可能か


昨今のSFAは、様々な業種・業態に対応できるよう、柔軟な設定ができるものが多くあります。
しかし、それでもパッケージで実現できない要件は出てきます。
そんな時に「自社の運用をパッケージに合わせるのか」「SFAをカスタマイズして自社の運用にマッチさせるのか」、悩ましいところです。
ここでいうカスタマイズは個別開発を意味します。
クラウドの場合、個別開発ができなかったり、バージョンアップの恩恵を受けられないサービスもありますので、将来的にカスタマイズの可能性がある場合は、制限事項についても導入前に必ず確認しておく必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
SFAを定着させるためには様々な方法が考えられますが、大切なのは”現場ファースト”です。
少なからず新しい仕組みを導入するのには負担がかかりますので、できるだけ現場の方のメリットを前面に打ち出して、定着を目指しましょう。

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